漢方のはなし
滋養強壮の薬草「人参の話」
今年は、今のところ比較的涼しい夏となっております。今年は夏ばてになる方も少ないかもしれませんが、一応、夏ばて等に使える人参の話をしたいと思います。
よく店頭で聞かれることに、「これは"なに人参"ですか?」といったようなことがありますが、これは産地・使用部位・加工方法によって、高麗人参や朝鮮 人参など色々な呼ばれかたがありますが、若干の違いはありますがほぼ同一と考られます。(※なかには人参と付く薬草で、別の種のものもありますので専門家 に確認してください。)その人参という名前の由来は、根の形が人に似ていることから付けられた名前で、普段の食卓にあがるニンジンとは種も、形も別のもの です。
時代劇等でもよく知られるように、人参は古くから不老長寿や万病薬とされ、非常に珍重され、大変高価なものでした。今現在は手軽に服用できるようになりました。皆様が普段飲まれている滋養強壮のドリンク剤にも入っていることがあります。
人参の適応症として、疲労や体力の低下、病後、胃腸虚弱、消化不良、神経衰弱などがあげられますが、成人病の予防になると考えられますし、漢方薬の成分 を見てみると、色々な症状の薬にはいっていることから、様々の臓器・臓腑の機能を回復すると考えられます。体の機能が回復すると、成人病の予防にも使用で きます。ただし、体質にあっていないのに長期に服用し続けると、血圧があがる、のぼせがでるなどの副作用が現れることもありますので、専門科に相談し、適 切に服用されることをお勧めいたします。