漢方について

　漢方薬の考え方に、虚（きょ）と実（じつ）と言う考え方があります。虚とは主に体の元気が不足し、各臓腑が正しく機能していない状態を指し、実とは主に 体に老廃物など不要なものが蓄積したり、外からの異物が浸入した状態を指します。実際では、虚（臓腑の機能低下）があるから実（老廃物などの蓄積）が生じ るので、虚実は同時に存在することが殆どです。ここでの場合、実にあたるものを、瘀血（おけつ：血液が汚れている・流れが悪い）、痰湿（たんしつ：水分が 溜まっている）、気滞（きたい：ストレスが溜まり臓腑が正常に機能していない）と呼びます。
　この考え方は、ダイエットにも当てはまります。極度な食事制限ダイエットをした場合、栄養が不足するために体は虚（代謝の低下など）していき、食事制限 をやめたときに太りやすい体質になります。特に女性の方は、月経が止まってしまう場合もあります。その他に、精神的ストレスで、食に対する欲が大きくなる 可能性もあります。甘味や炭水化物・脂質の摂り過ぎは、血液をドロドロさせてしまう可能性があり、過度のストレスは神経のコントロールを狂わせてしまった りする可能性があります。その事からダイエットには、体に適した無理のない運動と栄養バランスを考えた食事によるダイエットが、一番効果的だと思います が、漢方薬でダイエットの補助になるものもあります。
　漢方の理論で正しく薬を使用することによって、老廃物の排泄を促したり、ストレスから来る自律神経の乱れを整えたり、脳にかかったストレスを発散させたり、臓腑の働きを活発にして代謝を高めたりすることができます。
　代表的な漢方薬には、防風通聖散、防已黄蓍湯があります。防風通聖散の成分には、血液の流れをよくする成分と、便と尿を排泄する成分などが含まれています。防已黄蓍湯には、代謝を高めて、水分代謝を高める成分が入っています。
　その他にも、体質を改善する漢方薬が多数あります。またダイエットの漢方薬の一部に下剤が入っている場合がありますので、軟便気味の方には下剤の入っていないものをお勧めいたします。