漢方のはなし
年末、年始の食べ過ぎに効く漢方薬
年末、年始は、食べ過ぎることが多い方もいらっしゃると思いますが、糖尿病や高脂血症、肝臓・腎臓病などの病気を患っている方は、特に気をつけなくてはいけません。
普段から健康でも、口臭、臭いの悪いゲップ、上腹部が脹(は)って苦しい、すっぱい物が込み上げる、気持ち悪いなどの症状のどれかが現れたら、かなり食べ過ぎている可能性があります。
このような時に、漢方薬では消導薬という分類の薬を使用します。消導薬とは、消化酵素のことです。消導薬は消化酵素なので、普段から胃腸が弱い方は、胃 腸の働きを助ける漢方薬との併用が必要になります。また、胃炎や胃潰瘍を患っておられる方などは、消導薬により、胃酸の分泌が促進され、病気を悪化させる こともありますので、服用しないほうが良い場合もありますので、専門家に相談する必要があります。
代表的な消導薬には肉類や脂肪分が多い食べ物に良いといわれている『山楂子(さんざし)』、穀類などに多く含まれるでんぷん質や果物に良いといわれてい る『麦芽(ばくが)』、小麦粉・麩を材料に作られた『神麴(しんぎく)』、大根の成熟した種子の『莱菔子(らいふくし)』、鶏の砂嚢である『鶏内金(けい ないきん)』などがあります。
中国では、保和丸や健脾丸などの漢方処方があります。日本では、消導薬は製品としては健康食品として、薬草としては医薬品で販売されています。
食べ過ぎて、不快症状がとれない方は、一度ご相談してみてください。