漢方のはなし
漢方薬の風邪薬
風邪、ノロウイルスなど流行っております。
日本では漢方薬で最も有名なのが葛根湯です。葛根湯は確かに風邪の初期にはよく効きます。葛根湯は項背部（うなじから背中）にこわばりがある方に使用するので、肩こりにも使われます。
しかし、風邪が悪化してしまうと、なかなか葛根湯では効果がありません。普段から冷えが強い方で、そのとき寒気があれば、麻黄附子細辛湯を服用し、咳と 白い痰を伴う場合は、平喘顆粒を併用します。普段から冷えは感じず、熱がある場合は、天津感冒片を服用し、咳を伴う場合は、麻杏甘石湯、または麻杏止咳錠 を併用するといいです。
鼻水が出る、痰が多い時には、小青竜湯などを服用します。
胃腸型の感冒には勝湿顆粒を服用します。勝湿顆粒の成分には紫蘇と生姜が含まれています。紫蘇は、お刺身を食べるときに付いてきますが、魚貝類の毒消し 効果があるといわれています。生姜も青身魚を食べるときに、横に添えられますが、解毒作用があると言われております。このことからも、ノロウイルスにも服 用できると考えられます。
乾燥し、咳き込み、痰が無いか、切れにくい場合は、麦門冬湯を服用します。麦門冬湯は、咽に潤いをつけて乾いた咳を鎮め、痰を切れ易くします。
普段から、だるさがあり、熱もそれほど高くない方は、参蘇飲を服用します。
ストレスが多くある方には、香蘇散を併用するといいです。
体力がなく、よく風邪をひかれる方は、普段から衛益顆粒または補中益気湯を服用します。
漢方の故郷中国では、板藍根には抗ウイルス作用があることから、風邪、インフルエンザなどで多用されております。
この他にも、漢方薬の風邪薬は多くあります。服用する際は漢方薬専門の方と相談してから服用してください。
