体の悩み
水湿と痰飲
漢方ではよく気・血・水(津液)と言っていますが、これは体を形成する最小単位の物質のことを意味しています。また中医学ではこの3つの物質の他に精という物質の概念もあります。
津液は体に必要な水液を意味しますが、体の臓腑の機能が低下したり、湿度の高い環境に体が負けてしまったり、体を冷やしすぎたり、食事・生活の不摂生などで余分な水分が体にたまってしまう事があります。体にたまった余分な水分を水湿(すいしつ)と呼びます。
水湿がたまってしまうと体や手足が重だるくなったり、頭が重だるいような痛みが起こったり、食欲が低下したり、体や手足、顔面が浮腫(むく)んだりします。
この状態が長く続くと水湿が濃縮されていき、だんだんベトベト・粘々したものに変わってきます。このベトベト・粘々したものを痰(たん)と呼びます。濃 縮された水湿は全て水分が無くなるわけではありません。痰と一緒になって分離できないけどサラサラした部分もあります。それを飲(いん)と呼びます。普段 を痰と飲を区別せずに一緒にして痰飲と呼びます。
痰飲が生成されると咽に痰が詰まったり、精神錯乱、不眠、眩暈、もやもやする、悪心嘔吐、食欲低下、神経痛などなど様々な症状が現れる可能性があります。
私は以前ガングリオンが出来て、漢方薬で治りましたが、薬を止め、また不摂生な食生活していたら、別の場所に再度出来てしまいました。
漢方ではガングリオンを痰湿と考えられます。はじめは水湿を取る作用がある竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)と血流を改善する冠元顆粒(かんげんか りゅう)をしばらく服用してみました。まったく変化がありませんでした。最初はガングリオンの時も温胆湯と冠元顆粒改善したこともあり、竜胆瀉肝湯を痰湿 の薬である温胆湯(うんたんとう)に変更してみました。変更して1ヶ月でミルミル小さくなりました。
このことから、痰湿は水湿から変化したものですが薬の服用はキッチリと使い分けをしなくては効果が現れないと改めて実感をする思いがしました。
今年の夏は大変暑い夏です。熱中症に十分に気をつけると伴に水湿にも気をつけて、原気に夏を乗り越えられますように。
2011.07.26