漢方のはなし
血液サラサラ
漢方薬(中医薬)関係の書籍を読んだり、漢方(中医学)について勉強すると『瘀(お)』と言う漢字が頻繁に出てきます。それほど漢方(中医学)や健康にとって重要な言葉なのです。
『瘀』は単独で使用することは少なく、『血瘀(けつお)』や『瘀血(おけつ)』と呼ぶことが多いです。2つの漢字の順序を入れ替えただけですが、最初 の『血瘀』は血管が細くなっていたり、血液が流れようとする力が弱かったりして、血液の流れが緩慢または停滞している状態を指し、『瘀血』はその状態から 生じる病気の事を指します。
血瘀の原因には、寒さにより血管の収縮が続いたり、暑さにより体の体液が不足して血液の粘度が上昇したり、出血してその先に血液が不足したり、高脂血 症などの脂質代謝異常、体の筋力や心臓の機能低下によっての循環異常、ストレスなどによる血行不良、血管の異常などがあります。出血以外は慢性病または長 いこと続く体調不良から血瘀になることが多いです。
血瘀の症状には痛みがあります。この痛みは、針で刺されたような(チクッ)痛みで、痛む部位はいつも同じ、その部位は触れたくないといった特徴があります。また、夜間の痛みも血瘀と関係が深い場合もあります。
また、血瘀は黒や暗紫色などの特徴があり、顔や舌、皮膚の色、血液の色などがそのような色であることが多いです。
様々な病気がこの血瘀が原因であったり、血瘀が絡んでいます。
漢方(中医学)に『瘀』という漢字が多く出るのは、重要な状態であるということと同時に、漢方薬にその状態に対応した薬があるからです。
病気予防を心がけてみてはいかがでしょうか?
2011.11.25