漢方のはなし
今年も風邪のシーズン
昨日、ニュースでノロウイルスの感染による被害が流れていました。
ノロウイルスは激しい下痢と嘔吐が特徴で出したい、吐きたいと思った時にもう出ていると言うくらい激しい症状になる場合も多いです。治療方法が見つかっ ていないといわれており、無理に止瀉薬で便を止めてしまうと反って悪化してしまいます。漢方薬でも治るとは言えませんが、有効と言われているお薬が多くあ ります。それは、胃腸型の感冒薬が特に有効と言われています。例えば、五苓散(ごれいさん)や藿香正気散(かっこうしょうきさん)などです。また、漢方薬 ではありませんが、日本国内では健康食品で発売されている板藍根(ばんらんこん)などは、中国では抗ウイルス作用があると言われ、多くのウイルスの感染症 に使用されています。これらも有効であるとの報告がされています。
また、ノロウイルスではありませんが、感冒によく用いられているものに葛根湯があります。葛根湯を仕事途中のサラリーマンの方もお飲みになることがあるとは思います。
しかし、葛根湯とは、体を温めて汗をかかせて風邪を外に追い出すお薬です。また、葛根湯だけでは体の悪寒・悪風(寒気)がとれず汗が出ない場合は、毛布 に包まったり、暖かいお粥などを一緒に食べて体を温める必要もあります。冷たい葛根湯ドリンクでは効果が出にくいのです。営業中寒い外を回っていては薬も 効きません。ゆっくり休まなくてはいけないのです。
また、全ての感冒に葛根湯が合うわけではありません。汗が出ている方にはさらに発汗させることにより体力を消耗させたり、十分に体温が上がって発刊している方に、これ以上温める必要はありません。是非、専門家に相談してお試しください。
2012.12.25