漢方のはなし
葛根湯と銀翹散
10月も終わろうとして急激に気温が下がってきました。今年は、全体的に気温が高かったため、日中夜間、または前日との温度差が高いような気がします。
まだまだ、インフルエンザの流行には早いかもしれませんが、これだけ天候・気温が安定していないと風邪をひきやすくなります。
中国の医学には、陰陽と呼ばれる学説があり、陰陽のバランスが悪いと病気に罹りやすいと言われています。陰陽とは様々な事物を相対的に比較した場合の 分類方法で、天候や気温などすべてのものに該当します。例えば、1日の時間を陰陽で分けると、日中が陽、夜間が陰、比較する気温より高い気温を陽、比較す る気温より低い気温を陰と分けます。陰陽は常に変化するものですが、急激な変化は好まず、リズムが大切です。
そういったことからも、例年通り今年も風邪やインフルエンザに注意しなくてはなりません。
漢方薬の風邪薬は、様々ありますが、体質や症状によって適した薬が変わってきます。寒気がし汗が出ず鳥肌が出ているような場合は、辛温解表剤という分類の風邪薬から薬を選びます。その辛温解表剤の分類で最も有名な漢方薬が葛根湯です。
風邪をひいたときに全く寒気を感じない方、または寒気の時期を通り越して熱っぽい方、咽の痛みから現れる方には辛涼解表剤という分類の風邪薬から薬を選びます。その中で最も有名な漢方薬が銀翹散です。
その他にも細かい分類が必要になります。胃腸が弱く、疲れやすい方には、参蘇飮などが合っています。
中国では、風邪をひいたときは、変だなと自覚したらすぐに薬を服用し、症状が改善するか、良い反応が現れるまで、2時間おきくらいに風邪薬を服用し続けるそうです。
どのような風邪の漢方薬も出来るだけ早い段階で服用することが効果を出すコツです。
また。薬の効果を助けるための方法がそれぞれあります。例えば葛根湯は温かい物と一緒に食すことで発汗を促すことにより効果が増大します。
薬の購入する際にはその辺も相談されることをお勧めいたします。
2011.10.27